詐欺師の恋

開いたドアの隙間、廊下から零れる光だけを頼りに、そっと起こさないようにベットに寝かせた。



纏めていた髪留めを解いてやると、彼女は少し顔を顰める。




が、それも一瞬で、直ぐに表情は和らぎ、また身体を丸めて気持ち良さそうに枕に寄り添う。






「―ごめん。」





その姿を暫く見つめながら、届くことの無い懺悔を、小さく呟いた。



いつまでも大人になり切れない自分を、誰かに見せるのは嫌だ。



本当は。



一人でここに来る筈だった。



その決心を、昨日の朝、鈍らされた。



他の女と同じこと言う癖に。


言わせない様に離れたのに。


夜明けのあの時間帯に来るなんて。




しかも。


―俺に愛し方を教える、なんて。





はぁぁ、と大きく溜め息を吐いて顔を片手で覆う。