詐欺師の恋

って、自分で落ち着いている場合じゃない。



結婚って。


結婚、だよね?



今年中?


しかも相手が居るなら半年以内に連れてくる…?





「え!!!!!!」




「何?花音、急に…」





隣の姉が迷惑そうに眉を顰める。





「無理無理無理!そんなの、無理だって!」




激しく首を振る私を、家族一同が怪訝な顔で見つめる。





「だから、どうしたの?」





「いや、だから、結婚相手…」





半ば呆れ顔で訊ねた母に、話題を引っ繰り返す私。





だって。



私の今の相手って。



中堀さん、だよ?




絶対無理でしょう。




家に来てくれないでしょう。




その前に、一体なんて話したらいいの。




やっと、それっぽくなってきたばかりの今の展開で。





結婚する人を家に連れて来いって言われたから、一緒に来て下さいってお願いする。




中堀さんはうん、って…




頷かないと思う。





絶対に、いやだって言うと思う。



しかもその、なんか、逆プロポーズみたいなの、嫌だし。




NO理想だし。