詐欺師の恋

親戚の付き合いや、法事などで遠くから見かける程度の付き合いしかしていなかった。



その理由が何なのかは知らないけど、恐らく母との結婚を反対したまま、今に至っているのではないかと思っている。





だからこそ。



その祖母が、今更どうしてそんなことを言い出したのかわからない。




そもそも、そんなことを言い合える仲だったか。





「病気がわかってね。余り長くないらしいの。それで―」





母の言葉を、目で頷いてから父が継いだ。





「お父さんはあそこの末っ子だったから、色々ばあちゃんにはわがままを言ったんだ。無理無理通したこともある。そのせいでばあちゃんとは喧嘩したままみたいになっちゃって、疎遠になっていたんだが―」





「そうよ、ほとんど顔を合わしたこともないじゃない。なんでそんなこと…」





「花穂」




噛み付く姉を手で制する母。





「お前達に、何かしてやりたいと思ったらしいんだ。」





「余計なお世話よ!こんなことに口出ししてくるなんて。」





「花穂!」





姉は立ち上がって、鞄を掴む。