詐欺師の恋

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「ん、あれ?」





回想終了。


にやにやタイムも終わりを告げる。



誰も居なくなったリビングで一人、私は首を傾げた。




「そーいえば…なんでお母さん帰って来いって言ったんだろう?」




ええと。


電話でなんて言っていたっけ。



今年は皆集まるとかなんとか。



え、なんでだろう。



そういや、お兄ちゃんが居ること自体が珍しい。



となると、お姉ちゃんも帰ってくるってことかな?



そーだよね、うん。




だけど、急いで帰ったわりに、母は不在。



父と兄がこたつに入って、雑煮を食べているという風景があっただけだった。





「で、どーして、今誰も居ないの。」





さっきまで居た筈の父も兄も見当たらない。




雑煮の餅を口でひっぱりながら、ま、いいかと思い直した。





そして、にやにや再開…





「ただいまー!!!!」





できなかった。




肺活量たっぷりの母の声が、玄関から聞こえてきたからだ。