詐欺師の恋

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―翌日。




「ねぇ、零と喧嘩でもしたの?」




時刻は20時。



メリッサの質問に、私はただ頬を膨らませながら応じ、助手席に座った。


結局、あのまま中堀さんは本当に帰ってこなくて。


夜が明けても帰ってこなくて。


チケットだけが、玄関先に置かれていて。



あぁ、そうですか、一人で来いってことですか、とぶすくれていた所、なんとメリッサが迎えに来た。




「何なのよぉ、このクソ忙しい時間帯に私が迎えにこなくちゃならないなんて、ほんと有り得ないんだから!」




ハンドルを握る、メリッサの鼻息は荒い。




「ごめんなさい…」



このままだと命の危険を感じるので、とりあえず、宥める為にも謝っておかなければ。




「どーせ、悪いのは零の方でしょー?全く、クラブに泊まっちゃってさー!遅いな、この馬鹿!」




しかし、メリッサの苛々は治まらないらしく、信号が変わったのに少し反応が遅れた前の車に、思い切りクラクションを鳴らした。