詐欺師の恋


「駄目、弱気になっちゃ駄目よ、花音」




自分自身に言い聞かせる。




上辺だけの付き合いじゃ嫌だ。



中堀さんの痛みを知りたい。


少しずつ、和らげてあげたい。



共有したい。





だから、ちょっと冷たくされたからって、気落ちしてたらいけない。




ハンバーグだって、明日か明後日か、チンして食べさせてやるんだから。




距離を縮めることを、恐がっちゃいけない。



きっと、伝わる筈だと思う。



―私が、信じてあげなくちゃ。






―たとえ。




再度、亀裂の入った写真に目を落とす。



―今夜、一人ぼっちだとしても。




私は、ここから去ったりしないから。




貴方を置いていったりは、しないから。