詐欺師の恋

写真の中の男の子の目は、横顔でわかりにくいけれど。



空を真っ直ぐに見つめた先に、一体何を映し出しているんだろう。



この時から、中堀さんの思いは変わっていないんだろうか。



切れ端をくっつけて、そこに、涙が落ちる。





こんなはずじゃなかったのに。


折角来ても、中々一緒には居られない。


それでも近づいた気がしてた。



「…うー…」



予定では、帰ってきたらまずハンバーグを食べてもらって感想を聞くの。


批判的なことを言われたら、お約束のような、私の指に巻かれた名誉の勲章バンドエイドを見せて黙らせる。



明日はどんな風に演奏するの?とか、今日は何をしてきたの?とか、他愛もない話をして、寝る前になったら、そっと言おう。



そう考えていたのに。



写真の中の男の子は中々気難しくて、全然こっちを見てくれない。




カメラを持っているお父さんにも気付かないくらいに。



ただ、広い空ばかり見ている。




だからきっと。



今、テーブルの上に置いてあるハンバーグにも気付かない。




―こんなことになるなら、いっそ調べなきゃ良かった?




手の甲で涙を拭いながら考える。




中堀さんの冷たい目が、私の心臓を鷲掴みにしたみたいだ。




だけど。