詐欺師の恋

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「何があったの?」




シャワーを浴びた中堀さんの金色の髪は乾かされ、ふかふかしているような錯覚に陥る。



でも、その下にある目は…あったかくは見えない。




「別に…何も…」



「何もないってことはないでしょ、これ。」




中堀さんはそう言って、キッチンのカウンターに並べられた料理と、キッチンそのものを指差した。





朝だから、トーストにしようと思った。



トーストにはやっぱり目玉焼きかと考えた。



サラダもちょっとあればいいかな、ベーコンも焼いて、コーヒーを淹れよう。




強火で焼いたら目玉焼きが怪しくなってきて、下は焦げそうなのに上がまだ火が通っていないような気がした。



そうだ、レンジでチンしよう!




我ながら良い案だと思った。







そしたら―。






爆発が起こった。






「…出来ないなら、やらなくていい」




「う、い、でも…」




「でもじゃない。目玉焼きを穴も開けずにレンジで加熱したら爆発するの、当たり前でしょ?怪我しなかったから良かったものの、下手したら大火傷だよ?」




へちゃむくれになった目玉焼きの骸(むくろ)を見つめ、私はしゅんと項垂れた。