詐欺師の恋


結構な音がしたので、もしかしたら中堀さんが目を覚まして様子を身に来るかもしれないと、耳を傍立ててみる。



20秒数えてみたけれど、降りてくるような物音はしないので、大丈夫だ。




「あーあ…」




改めて見事に散らかった床を眺め、溜め息を吐いた。



その場にしゃがみこんで、拾い集めようとした手がぴたりと止まる。




「ん?」



ガムテープがしっかりしていなかったのか、ダンボールから中身が出てしまったのが幾つかあって。



その中に、木枠の写真立てがあったのだ。しかも落ちた衝撃のせいか、止め具が外れて中の写真が今にも飛び出しそうだ。



仕事関係らしき書類がちらほらあるので、多分お父さんが職場の机の上かなんかに飾っておいたのものではないかと思う。




そんなことよりも。




こ、こ、これは、もしかして…。





「中堀さん!?」




写真の中には小学校低学年くらいに見える小さな金色の髪をした男の子が映っている。



地面に足をついたままブランコに乗って、頭を隠すようにして帽子を被り、ぼんやりと空を見ている横顔だ。



何これ。


超、かわいい。