詐欺師の恋


-----------------------------------------


January1


今年に入ったら言おうと決心し、手続きを取りまとめ、空生を呼び出した。


本当の家族になることを伝えると、空生の顔が一瞬強張ったように見えたが、直ぐに落ち着いたものになった。



しかし、一緒に暮らすという話になると、空生は首を横に振った。


どうしてだろう。


空生の中に、何があるのだろう。



私は何か見落としてしまっているのだろうか。



とにかく、空生がそう言うなら、空生が良いと思えるようになるまで、ここで一緒に居るとしよう。




-----------------------------------------




―中堀さんは、最初から、お父さんと一緒に暮らすのを拒んでいたのか。



私にはわからない複雑な思いがあったのだろうか。



うーん、と胸の内がざわざわするのをなんとか落ち着かせるため、手帳を置いて腕組みをした。




…というか、私がこんなの見てたって知れたら、中堀さん、怒るかな。




もっと早くに浮かばなければならなかった筈の常識が、私の頭に過ぎる。