―7月1日は、施設に来た日じゃなかったんだ…。
中堀さんが、保護された日。
胸が締め付けられるようだった。
中堀さんと、お父さんとの、出逢いはこんなところから始まったのだ。
駄目だと思っても、目に涙が溜まっていく。
ずっと鼻を啜りながら、頁を捲っていくと、暫く中堀さんの意識が戻らなかったことが書いてあった。
にも関わらず、毎日欠かさずに病院に足を運んでいる。
目を瞑ったままの表情の変化に一喜一憂している様子や、髪が地毛だということに驚いたことなどが綴られていた。
そして時は過ぎ、中堀さんが意識を取り戻した日。
---------------------------------------
August2
あの子が目を覚ましたと連絡を受けたが、あえて会いに行くのを止めることにした。
新しい彼の住まいになる施設の私と会うのは、施設に来る時にして、その間は他の者に任せることにしよう。
目が覚めた時に、会いに来ていたのがこんな大きなおじさんだと知ったら恐がるかもしれないから、女性職員から選んで行ってもらうことにしよう。
あの子が、大人に怯える事は、極力避けてあげたい。
退院の日も決まって、9月10日だそうだ。
まだ痩せすぎに変わりは無いが、予想以上に早くて安心した。
---------------------------------------


