詐欺師の恋

一階に下りて、私は一息つくためにソファに座った。


時刻は17時を過ぎていて、外は既に暗い。






―自分の名前が、嫌いなんだ。






頭の中で、さっき中堀さんが言った言葉を反芻してみた。




「…どういう意味だったのかな…」




せっかくもらった素敵な名前なのに。



中堀さんにぴったりだと思うのに。




お父さんだって、きっと…




そこまで考えた所で、目が部屋の隅にあるダンボールを捉える。






そうだった。





私はさっき咄嗟に落ちた紙を拾ってしまったことを思い出し、ポケットをまさぐる。




慌てたせいでくちゃくちゃになってしまった紙切れを見て、無性に申し訳ない気持ちになる。





「皺になっちゃうなぁ。」






手でなんとか綺麗に伸ばせないものかと試行錯誤する為に広げた紙を見て、早くも動きが止まる。





「これ…」