詐欺師の恋

「ル・ルヴェ・デュ・ジュール」



「る、るべ?でゅ?」



「まぁ、ルヴェ・デュ・ジュールでいいよ。」



「・・・・・」




ルがなくなっただけじゃん!



言えないよ!






「ルナより言いにくいですね…なんていう意味なんですか?」





ノッテディルーナは確か満月っていう意味だとか。




私が訊ねると、中堀さんはべぇっと舌を出した。





「教えない。」





「ひどいっ!」





「調べればいいだろ。」




「スペル長くてメモってません!」





引き下がらない私に、中堀さんが困った顔をする。





「じゃ、ヒント。俺は嫌いな名前。」




益々わからない!



でも、言いたくない?



なんとなく察した私は、大人しく頷くことにした。





「・・・考えておきます。」




それだけ言って、また洗い物と向き合う。




「あ、そうだ、中堀さん、病院行かなきゃだめですよー」



「やだ。きっと、やってないし、行かない。」




ぷくぷくの泡と1秒見つめ合ってしまった。




「………私その間、買い出しに行ってますから。近くにスーパーありましたよね?」





「病院は行かない。スーパーは付き合う。」




これは、やっぱり。



中堀さんが……駄々をこねている!