LoVendoЯ~あの日の約束~








「あれ?」


砂浜で海を眺めてる人影がいた。



誰なんだろ...



あたしは、そっと砂浜におりて
その人影に近づいた。





徐々に近くなる距離。


長身で黒髪。



まさか...




「ーッ!」



「ど、うして...?」


なんで、貴方がここにいるの?





「倉持くん...」


あたしに気づいた彼がそっと
振り向いた。




一瞬驚いた顔をしたけれど
すぐ海に視線を戻した。




「ねぇ、やっぱり蓮なんでしょ!?」



彼の腕にしがみついて叫んだ。


でも、その腕はふりほどかれた。



彼は黙ったまま。



「答えてよ...。あたし、あの日から
ずっと待ってたんだよ?」




視界が滲んでいく。



「辛くても、苦しくても
蓮との約束があったから頑張れた。」





やっと...会えたんだよ?


蓮は嬉しくないの?



「あの頃の俺は、もういない」





ーえ...?



海から視線を変えないまま
蓮は冷たく言った。






「ど、うゆうこと...?」


声がかすれた。

「俺は倉持 蓮だ。お前の知ってる
高橋 蓮は、もういない」




そう...あたしが知ってる蓮の苗字は
“高橋“だった。




変わった理由は聞いちゃダメな気がした。





それでも...



「それでも...っ!ラベンダーの香りは
あの頃のままだよ...」


大人っぽくなっているけど
顔だって声だって蓮を感じるよ...。





「とにかく俺は、あの頃の
俺じゃない。約束もしてない。」




神様ー··。こんなにも残酷なことって
ありますか?





10年間想い続けていた人は確かに
ここにいます。




でも、近くにいるはずなのに
届かないよ..。遠いよ..。



どうして、変わってしまったのー··?