男子生徒の照れくさそうな様子を見てあの特権が結びつき、少女の気分は悪くなった。
「葵はまだ学校にいるよ」
「そう・・・」
「それよりいいの？」
「いいって？」
「恋は戦いだよ。ダラダラしていたらダメなんだよ」
　追い込むように男子生徒へ迫る少女に男子生徒は思わず驚愕し、冷や汗をかいた。
　だが、男子生徒は少女に負けないよう姿勢を伸ばし、2・3度咳払いをして、少女の目を見た。
「オレ、本田秀太って言います。よかったらお願いします」
「お願いします？お願いします・・・・・あ、そういうことか！！うんいいよ」
「本当？」
「うん。じゃあ葵にメールするから待ってて」
「え？」