あれから2週間。
 少女の日常はいつもの日常へと戻り、たった一つを除いては代わり映えしない毎日であった。
 唯一変わったこと、それはマタナイとはあの日以降会っていない。
 また、マタナイが名乗っていた豊田勇輝という者は猫の姿ではなく人間の姿をしていて、今、女子の前で授業をしていた。
 はぁ〜猫ちゃん先生・・・。
 窓に向かって吐いた息はまるで鐘を伝ったかのように鳴り、今日も無事何事もない授業が終了した。
 それから少女は帰る準備を始めると、友人の葵がバタバタと足音を立てて少女のもとへ。
「ねえ聞いた!?」
「何が?」
「友樹、隣のクラスの女子と付き合ったって」
「・・・そう」
「あれ?聞いてる?あなたが好きな松永友樹だよ」