猫ちゃん先生とインスタント魔女

「わかったか?わかったならさっさと行く・・・おい何をしてる!?」
 マタナイの忠告を無視した少女の足はバンディットの声がする方向を向いていた。
 マタナイは少女の足元を掴んで行くのを阻止するが、少女はそれを簡単に振り払った。
「ま、待て」
「猫ちゃん先生・・・そんな辛い恋ならなくていい。それが恋なら私はいらない」
「・・・・・」
 少女は制服のポケットから青い果物を取り出し、しゃがんでマタナイにそれを手渡した。
「い、いいのか?」
「欲しかったんでしょう?」
「まあな。オイラはこいつそれさえ貰えれば・・・」
「じゃあね猫ちゃん先生・・・」
 少女の身体はバンディットのいた方向を向き、マタナイを置いて走って行った。