猫ちゃん先生とインスタント魔女

 仕方ないこれを使うか。
 制服から青い果物を出した少女。
 その気配をいち早く察知したマタナイの身体は180度旋回。
「猫ちゃん先生、取り返しに来てくれるならこれをあげる」
「ほ、本当か?本当にいいのか?」
「もちろん。その代わりあの魔法の杖を取り返してくれるならね」
「わかりました喜んで」
 ふたりは先ほど通ってきた森へと逃げた女性を追いかけることにした。



 行き道を戻っているはずの森。
 しかし、明らかにこの道など通っていないのが一目瞭然と言わんばかりに森の様子が異なっていた。
 行きは森が緑いっぱいだったが、今いる森は葉っぱはほとんどが赤で、地面の色も茶色から赤い土に。