猫ちゃん先生とインスタント魔女

「せ、先生・・・。先生・・・」
 声が小さいのか、少女がそれから何度も豊田を呼ぶのだが、豊田はどんどんと職員室に向かって行った。
 少女は廊下にいる生徒を縫いいるようにすり抜け、小さな声で豊田の名前を呼んだ。
 と、ビクとした豊田はすーっと顔だけを向け、少女だと確認すると身体も少女の方向に。
「うん?あ、ああどうした?」
「せ、先生・・・。その・・・」
「先生に相談か?」
「相談って言うか・・・」
「・・・ほら、早く言わないと授業が始まるだろう?何だ?」
 少女は終始正面を向いておらず、目線は斜め下を向けていた。
 しかし、少女の目に怯えたような弱々しさなど微塵もなく、逆に堂々と正面を見ているはずの豊田の目が泳いでいた。