更に1時間が経過。
 歩いても歩いても進む先は森しかなく、環境は何ら変わらなかった。
 しかし、マタナイの少女に対する扱いは変わっていて、まるで立場が逆転したよう。
「あの〜」
「なんでしょうかお嬢様」
「いや気持ち悪いんですけど。そんなことしてもあげないよ?」
「いや〜何のことやら?」
 先ほどの青い果物を制服のポケットに入れた少女。
 それを見逃さなかったマタナイはそれを隙を見て奪おうと考えたが、少女はなかなか隙を作らない。
「・・・ねえ次の目的地はまだ?」
「はは、もうすぐでございます」
 それから少し歩くと森の出口が現れ、その先には綺麗なお花畑が一面広がった。