よく見てろよ。
 前足を使ってそのマジックハンドで3メートルはある赤い果物に狙いを定めた。
 びゅーーん。
 マジックハンドは3メートルをゆうに超える距離など物ともせずに伸び、都合よく落ちてくる前の赤い果物をキャッチ。
「どうだ?これも念じれば遠くのものを簡単に取ってくれる優れものだ。さあやってみろ」
「は、はい」
 マジックハンドを受け取ると、少女は背が低い木を探す。
 と、ポツンと生えている低い木が今度は二本あり、少女は白い果物に狙いを定めた。
 だが、後ろ向き(?)である相手の不意をつくような気がしてか、少女はなかなかマジックハンドを発動しようとしない。
「どうした?」