「・・・全然嬉しくないんだけど」
 とは言っていた少女であったが、生意気なマタナイに褒められたことになんだか勝ち誇った気分に。
「それより、店を出ていたとき何か言ってなかったか?今は暇だから聞いてやるよ」
「・・・ねえ猫ちゃん先生。猫ちゃん先生って普段からそんな風なの?」
「まあな。オイラは欲に素直だからな」
「私も本当ならそうなりたい。言いたいことをちゃんと言いたい」
「言えばいいじゃないか?」
「言えたら苦労しないよ」
「人間って面倒だな」
「普段から嫌われないようにしていたら、自分の意見が言えなくて」
「あっそう」
 マタナイは沸騰した鍋にニマーモンドを入れ、少女が先ほど使った魔法の杖をお玉代わりに。