「いいのか?早く火を起こさないと大変なことになるぞ」
「大変なことって?」
「・・・・・」
 と、マタナイは少女から目線を外し、口を紡いだまま、何も答えようとしない。
 グォーーーーーーー。
 どこからか聞こえてきた謎の音に驚愕した少女。
 その謎の音を聞いて嫌な予感が頭をよぎり、少女の頭はパニック状態になったのであった。
「火、火を起こせばいいんだね」
「そうだ!道具はカバンの中にあるから、鍋に湖の水を入れて火をかけろ!!」
 少女は言われるがままカバンから鍋を取って湖の水を汲むが、火を付ける土台のセット。
 あれ?
 だが、肝心のマッチなど火を付ける物がなく、カバンの中を隈なく探したが、それらしきものはなかった。