それからふたりは森にすら怒ってしまいそうなほど気分が悪く、遠くに離れて狙っていた怪物もそれに圧倒されていた。
 しかし、森は基本まったく音などなく、空気も綺麗だったため、ふたりのイライラは徐々に消えていくようだった。
「ねえ猫ちゃん先生」
「うん?」
「私、あんなに大声出したの久しぶり」
「だから?」
「・・・普段からあんな風に話せたら」
「私にはズバズバ言ってるじゃないか」
「猫ちゃん先生は猫だから」
「また猫差別か?」
「ち、違うの。私・・・」
「おい、こっちには時間がないから行くぞ」
 マタナイは歩くスピードを上げ、少し重い荷物を持った少女は置いていかれない必死に早足。