「…大丈夫か?」
「…紘くん」
気がつくと、
あたしと紘くんは抱きつきながら、
床に倒れ込んでいた。
それに…
またもや顔が近い…!!
「…顔、赤い」
「えぇ⁉︎…き、気のせいだよ」
「…俺のこと、意識してんの?」
…さっきからあたしは紘くんにペースを乱されてばかり。
どうして紘くんはあたしなんかを相手してくるの…⁉︎
それに…
そんな紘くんにドキドキしてしまっている自分も恥ずかしい…
「…こっち見ろよ」
「…無理です」
「…瑠奈、何もしねぇから」
そう優しく言われ、
ゆっくりと紘くんの方へ顔を向ける。
紘くんは真剣な顔をしているのが分かった。
「…どうして、あたしなんかに相手してくるの?」
すると、紘くんの手があたしの頬に触れた。
「…ひ、紘くん⁉︎」
「…お前が好きだから」
「…え⁉︎…ん」
…こ、これはどういう状況⁉︎
あたしは、
紘くんと、
キスしてしまった…
…紘くんがあたしのことが好き?
…う、嘘でしょ⁉︎
あたしは紘くんの胸を強く押した。
「な、何もしないって言ったじゃん…」
「悪かった。…でも、俺は軽い気持ちでキスなんかしねぇよ。…お前なら分かるだろ」
…確かに紘くんの言う通りだ。
紘くんは昔から誠実で真面目だった。
だから、
好きでもない人と付き合ったりしないし、
キスしたりもしない。
そういう人だって、
あたしは知っている。
「で、でも…」
「俺は本気だから」
ど、どうしよう…
頭が混乱してて何て言えばいいのか分からない。
「…瑠奈は俺のこと、どう思ってんの?」
「…ご、ごめんなさい。少し時間を下さい…」
「…分かった。お前が答え出すまで待ってるから」
そう言って、紘くんは立ち上がった。
…ようやく、解放された。
…あたしは、紘くんのことどう思ってんだろう?
…大事な親友。
でも、恋愛対象で見たことはない。
…なんか意識してきちゃった!
…全然知らなかった。
紘くんがあたしのこと好きだったなんて…

