「ここ、空き部屋だから自由に使っていいから」
「ありがとう、紘くん」
「あぁ。…荷物は?」
「もう少ししたら、業者さんが来ると思うんだけど…」
「そうか。…じゃあ、それまで何か飲む?」
「うん」
「ビールでいい?」
「あ、うん。ありがとう」
紘くん、気が利くなぁ。
本当は優しいところは昔と変わってない。
実を言うと、
あたしはあまりお酒が強い方ではない。
でも、
一杯ぐらい、いいよね!
「一緒に住むとなると、分担しなきゃだね!」
「いいよ別に。お前は何も心配することねぇって」
「そういう訳にもいかないよ!料理と掃除なら出来る方だと思う…」
「…まじ?それ、助かる」
「ほんと?よかった…。でも、紘くんの部屋は綺麗だから掃除するところはあまり無さそうだね」
紘くんの部屋はシンプルで整理されていて、とても綺麗。
男性の部屋はもっと散らかっているものだと思ってた。
「じゃあ、お前は食費を頼む。俺はそれ以外ってことで」
「え、でもそれじゃあ紘くんの方が金額が多いよ」
「平気。それに、お前まだ働いてないんだろ?」
「う、うん」
「なら、俺に任せていいから」
「では、お言葉に甘えて…」
「あぁ。お前の手料理楽しみだな」
「そ、そんなに期待しないで!」
「期待してる」
…もう。
あたし、そんなに上手いわけじゃないのに…
でも、料理を任されたんだから頑張らなきゃね!
なんだか楽しくなってきたなぁ。

