やっとの思いで校門をくぐると、チャイムがなるまであと一分あるかないかという状況であった。

隼人「やっば...」

教室まであともうひと頑張りしなくてはならなくなった。急いで上履きに履き替えて階段を駆け上ると、教室のドアから顔を出したクラスメートが廊下を爆走してくる俺に急ぐように合図している。

俺のクラスの担任は太田先生、通称ゴリラ先生だ。ゴリラ先生は明るくていい先生なのだが、とても厳しい。特に遅刻には...
ゴリラ先生のクラスで遅刻をしようものなら反省文を書かされるだけでなく、ついでに成績まで下がる。テストでほとんど点数をとれない俺にはかなりのダメージだ。だからこそ、絶対に遅刻をするわけにはいかない。