好きを教えて



ため息をつきながら席に着くと、


「おい」


「あのさ」



前と後ろから同時に声がした。


前からは玲央…。



後ろからは太陽…。



どっちに振り向こう………。


いや、その前に私のこと呼んでないかも。


よし、聞こえないフリだ……。


そう思ってボーッとしておく。



少ししてから、


「保坂。」


「和葉。」



また同時に声がする。



同時に呼ばないでよ……!



対応にものすごく困る……。



こ、これは振り向くしかない……。



………ここは…寝たフリ…!


………も、できるわけないし……。



あー、もう!



「何ですか!」



とりあえず、下を向いて返事をする。



「やっぱ俺はいいや。」 



小さく呟く後ろからの声が寂しく感じた。



「………和葉、あのさ…。」



何かを話し始めようとする玲央の話し方が少し怒っているように感じた。