特別なお客さん。〜あなたとの距離〜

来るのはわかってたけど!

やっぱり緊張する。


さっきも少し話したのに…。


「言ってた通りに買いに来ました。」
とニコッと笑うー大原くん。


「ありがとう…ございます。」

ほんと、帽子があって良かったーー。

意識しすぎて、緊張しすぎて、目を見れない。

「じゃあ…特別サービスで、120円です!」

「お、ありがとうございます。」

ついつい敬語になる。
元はこんな感じだったもんね。
まだまだタメで話すのに慣れてないから、敬語で話す方が落ち着くかも。なんてね。

「どっちが先に終わるかわかんないけど、待ってる。」

「あ、うん!」

そのときにようやく目を見ることができた。

優しい目。


「では、150円お預かり致します。」

「ここでのバイトって何年目?」

「ここがオープンしたときからだから、もう3年半くらい?」

「そりゃベテランさんだなあ。まあ、レジ見ててわかってたけど。」

「え、本当に!?」

レジ見てて…って、けっこう見られてたってこと!!?

「他のバイトの子よりテキパキしてるし、レジで教えてるところ見かけたことあって、思ってた。」

「見られてたとは…なんだか、恥ずかしいね。あ、30円のお返しです。」

そっとお釣りを渡す。
手を広げてくれてたから、そこにそっと。
その瞬間に手が触れた。

今まで以上に意識してしまう。