特別なお客さん。〜あなたとの距離〜

「さっきの人、けっこう買いに来てますよね!!」

溜まりに溜まったトレーとトングを拭きながら、新人の子が言う。

「そうだね。よく見かける。」

「しかも、かっこよくないですか!?やばい!!」

「あ〜、確かに……って清水ちゃん。喋りながらも手は動かす!」

「あ、はい!」

「さっきのお兄さんイケメンですね〜。背も高いし。」

もう一人の新人、西村さんまで…。

言われてみれば…イケメンだよね?

「このショッピングモール内で働いてるんですかね!?どこのお店かな〜。知りたくなってきました!」

「清水ちゃん。その笑顔を接客のときもしようね?」

「あ、はい!」

おばさん、おじさんのお客さんが多いからこそ、ああいう若い常連さんがいると、みんな覚えちゃうよね?

あの人、いつから買いに来てくれてたっけな。
本当覚えてない。

気付いたら常連さんになってたんだよね。

また…来るかな?