特別なお客さん。〜あなたとの距離〜

「たしかにな〜。」
「でさ…」

そんなお客さんの声が背中越しに聞こえる。
トレー取ってる音もするからお客さんが来てくれたんだな〜。

食パンをスライスしながらも、いつお客さんがレジに来てもすぐ反応できるようにしておかないと!!



カタンッ

あ、トレーを置く音!
「お願いします。」

「いらっしゃいませ!」
そう言いながら手袋を外し、レジの方を向く。

その瞬間私は目をぱちくりさせてしまった。
多分、少し動作が止まってしまったと思う。


それは、期待していた人。
大原さんだった。


「お会計180円でございます。」

「あの….シールが貯まったんですけど…食パン頂けますか?」

とシールの台紙を出す大原さんから受け取る。
綺麗に貼られたシール。

集めてくれてたんだ…。
思わず

「かしこまりました!スライスもお受けできますが、どうなさいますか?」

「じゃあ、お願いします…。」
私はニコッと笑った。