特別なお客さん。〜あなたとの距離〜

「いらっしゃいませ、いかがでしょうか〜?」

商品整理。



大原さん、買いに来てくれるかな…。


そう期待しながら仕事をこなす。


さっきは私服だったけど…うちのパン屋の制服は可愛くもないし、髪もネットの中に入れるし、帽子で顔は暗く見えちゃうし…。

私服姿で、ああやって話せたこと、目が合ったこと、それが嬉しかったな…。


平日だから、お客さんもパラパラ来る程度。


時間が経つのがすごくゆっくり感じる。


食パンのスライス、全部してしまおうっと。

土日と比べ、食パンが何本も残っていた。
こういうときは、スライスして一斤で売ったほうが買ってもらえる。
私は残っている食パンをスライスし始めた。