特別なお客さん。〜あなたとの距離〜

厨房のことは全部終わり、閉店まであと一時間。

この時間になると、いつもレジをしつつ、レジ周りの掃除や袋の補充をする。


私は厨房からレジに向かって顔を上げたときだった。


私の視線の先には、時計を確認しながらも、スーパーに入ろうとしているある人の姿があった。


それは、そう。


大原さんだった。


カバンを持っているから、もうバイトは終わったのだろう。



スーパーに入ってすぐのうちのパン屋を見つつも、買わないのかな、買うのか悩んでるのかな、という感じだった。


私は美咲ちゃんと話しながらレジに立っていた。


話しながらも大原さんに目が行く。


パン屋を通り過ぎ、スーパーに行くのかな。
そう思った。