特別なお客さん。〜あなたとの距離〜

レジを代わったのは、大原さんが休憩に入るから?
それとも、商品整理とか、別の仕事をするから?

自分のタイミングの悪さを改めて思い知った。
せっかく買いに来て、少しでもアピールできたかもしれないのに、顔を合わせる以前に、私が買いに来たことを知られずに終わってしまったのかな。

「いらっしゃいませ。」
大人しそうな、少し地味な女の子がレジをしていた。

「2点でお会計216円でございます。」

財布を開け、小銭を探す。
ぴったりはないかな〜と、下を向いていたときだった。

「カゴ持っていきます。」

「はい。ありがとうございます。」
聞いたことのある声。そして、私の視界にチラッと入ってきた、青いシャツ…って……え?大原さん??

その人が少し去ってから顔を上げた私。

レジに溜まっていたカゴを取りに来た大原さん。サッと行ってしまったから、目は合わなかったけど…。

私だって気付いてくれたかな?

今日はもう会えない、見れない、と思ってたから少し嬉しかった。