特別なお客さん。〜あなたとの距離〜

「大変お待たせ致しました。商品2点で、216円のお買い上げでございます。」
と言って私の目を見てくれる。
それが、接客だとしても、嬉しいと感じる。

私は220円を出した。
あ、そうだ。領収書…。
「あの、領収書お願いできますか?」

「はい、かしこまりました。」
思わずニコッとした。


何だろうな。

顔見知り…っていうような関係でもあるよね。

いつもの常連さんにレジをしてもらって、
しかも、気になっちゃうくらいの人に。


いつもとは逆の立場でなんだか変な感じ。

それに、今の私は帽子を被っていないから顔が丸わかりじゃん?


「まず、4円のお返しでございます。」

私の手にそっとお釣りを置いてくれた。
落とさないように。
そっと。