…とまぁこんな変にフワフワな私だが、
これでも一応キャラってものがある。
「おおっ、氷姫ーKorihimeーだ!」
「今日も無表情」
「鉄壁の仮面だよな!崩れねぇ〜!」
「笑った顔見たことなぁい」
「私も私も〜!!」
おいそこの皆サーン!
勘違いですよ〜!私だって人間だもの。
笑うくらいするっての。
「相変わらずのファンね」
そう言って近づいてきたのは唯一の友達
西宮 花奈ーHana Nishinomiyaー
成績優秀・容姿端麗・運動神経
おまけに家柄もイイと来た。
まさに、嫌み〜な奴である。
「花奈に言われるなんて心外ね」
私なんて花奈と違って美少女でもなければファン一人もいないわッ!
ただの野次馬だっつうの。
「私は良い部類に入るのだろうけど。
だけど他にもいるじゃないのよ、
意外と近くに」
こんな美少女、
他にどこにいるって言うのよ。
そして私を見んな。
どうせ、残念な顔ね。
とか思ってんでしょ!
「本当、鈍感な子ね」
「うん?何か言った?」
聞き取れなくて聞き返したのになぜか顔を逸らされてしまった。
…そんなにこの残念な私の顔が見たくねぇのか。何気傷つくわ。
氷姫、氷姫とわけのわかんない、且つダサいネーミングで迎えるいつもの朝。
いい加減うんざりなのだけれど、元々内気な私の性格がこの現象のきっかけとなったのだから致仕方ない。
……と、まぁ、クールの欠片もないのに
勘違いされる私の日々は続く。