あなたを待つ夜

「……そういうことか。一人で子供産んで育てる決意した優子は強いと思うよ。

優子がこれから幸せになる権利はあるよ」

優子は思わず涙ぐみ、俊に全てを話して良かったと思った。

「子供の名前はなんて言うわけ?」

「美しい花って書いてみか」

「いい名前さー」

俊はふと微笑んだ。

その優しい表情(かお)は18歳の時から何も変わっていない。