あなたを待つ夜

しばらく車を走らせ、優子達は海に行った。

この時期に未だに水着姿で泳ぐ観光客達を見て、優子は身震いがした。

「ここも昔よく来たよなあ」と俊。

「懐かしいね」

優子達は砂浜にドカンと腰を据えたような岩の上に座った。

「優子、一人で子供育ててるって言ったさー?子供連れて沖縄帰ってきたってことか?」

「ううん、妊娠中に帰ってきたわけ。自分だけでね」

「まじな?大変だったんだな」

優子は本当のことを包み隠さず全て俊に話した。

もちろん、最低な女だと罵られる覚悟で。