――5年後、沖縄・那覇。

優子は実家とは離れた場所で子供の美花(みか)と二人で暮らしており、保険会社で働きながら、週末は松山のスナックでバイトをしてなんとか生活をしている。

日曜日は親子水入らずの時間を過ごす大切な日だ。

優子は美花を連れて海に出かけた。

沖縄も少し涼しくなってきた頃だが、ビーチはまだまだ観光客で賑わっていた。

優子達は砂浜にレジャーシートを敷いて座った。

いつも元気いっぱいな美花だが、今日はなんだか様子がおかしい。

明らかに元気が無いようだ。

「みか、なんかあったわけ?元気無いさー」

「なにもないよ」

「じゃあなんでそんな顔してるわけ?何かあったらいつもママに言いなさいって言ってるでしょ」

すっかり黙り込んでしまった美花は指で砂浜をほじり始めた。