数回に及ぶ裁判の結果、優子が和解金である50万を支払って双方解決と言うことになった。

50万と言う金額は初めの請求額よりは大幅に引き下げられたものだった。

豊は別の部署に飛ばされ、優子は自主退社と言う道を選んだ。

優子は故郷である沖縄に帰って子供を産むことを決意したのだ。

元不倫相手の子供を産むなんて子供が不幸になるに違いないと人は言うけれど、

一つの命を犠牲にすることは優子には到底できない。

東京の大手企業から内定を貰ったけことを電話で伝えた時、家族の喜びようは相当なものだった。

その時のことを思い出せば、自分自身の情けなさに優子は涙が出て来る。

そう、不倫の代償はあまりにも大きかった。