言いにくいことなのかもしれないと、あえて軽い調子で応じることにする。




『なーに? あたしにできることなら、なんでも言って』




ひかる君は深呼吸を繰り返して、意を決したように再び顔を上げた。



『今週の土曜日っ、どこか出かけませんか! できれば、ふ、二人で……』




顔を赤くして言うひかる君。




『うん! いいよっ!』



そう言うと、ひかる君の表情がパアッと輝いた。




『はい! 詳しいことは、またメールしますね』



そして言うが早いか、ひかる君は走り去ってしまった。