「うわあー!ここが高校の教室かぁ!」
私は中学とは少し違う教室に胸がおどっていた。
「愛生、落ち着きなよ。」
「だって、高校の教室だよ!1年間ここで過ごすんだよ!!なんかドキドキするね。もしかして運命の出会いがあったりして!」
「そんな恋愛小説みたいなことあるわけ無いじゃん!」
「えーーーー。あるよー!絶対見つけてやる!」
「はぁ…。愛生はお気楽だね。」
「うん。とっても楽しみ!」
「まぁ、とりあえず席に座ろ。私はあっちだからまた入学式終わったら!」
「うん!」
《私の席はー…あ、あそこだ。》
私の席は、窓際の1番後ろだった。
《いい席じゃーん!!》
私は自分の席へと向かって歩いた。
《なんか高校生いいかも!》
席に着くと窓から空が見えた。綺麗な青空だった。
そぅ思ってたとき。
「おい。お前」
誰かが私を呼んだ。
「はい?って、ぇぇぇぇえー!」
それはまさかの展開だった。
この高校に入学する前、恋奈と中学生最後の時間を楽しも!ってことで遊びに行った日。
今、私を呼んだコイツは5人くらいでゲームセンターで遊んでいた。
私達が遊んでる間、ちょくちょく見かけるコイツは金髪でピアスをつけてて、いかにも『不良』って感じのやつだった。もちろんコイツの友達たちも。
だから、余計にわかりやすかった。
別にコイツらを見てたわけじゃないけど、金髪でピアスをつけた集団が歩いてたらそりゃ目がいっちゃうよね…。
「おい。そこ俺の席、邪魔なんだけど。」
「え?ここ、私の席ですよ?」
何なのコイツ。私の席なのに、邪魔って!
「いや、俺の席だ。」
え?何言ってんの?
「…もぅ1回見て来ます。」
もう一度座席表を見た。
やっぱり私の席じゃない!!
「あのー、やっぱり私の席なんですけどー…。」
「は?」
は?お前がは?だよ!!
「わるい。俺がミスってたみたいだ。」
「いえ、全然。大丈夫です!」
コイツみたいな不良でも、謝ったりするんだ。
「今、俺みたいな奴でも謝るんだって思ったろ。」
「え!?あ、いえ…あの、ちょっとだけ…」
なんでわかったの?私はびっくりした。
「俺だって謝るときは謝るし。」
あれ、なんか拗ねてる!?
「あ、そぅなんですか…」
「ああ。お前には悪いことしたからな。」
あ、自覚あるんだ。
「いえ、本当大丈夫ですよ。間違いは誰にでもある事ですから!」
なんか、この人見た目と全然違うなー…
「そー言ってもらえると助かる。」
そう言って彼、山本陽登は笑った。
今日のこの青空にも負けないくらい綺麗な笑顔だった。
"わぁー、きれいだなー。"
そう言えばよくよく見ると顔はまあまあかっこいい……。てか、凄く整った顔をしている。コイツみたいなやつのことを世は「かっこいい」と言うのだろう。納得だ。
そう、感心してたら……
「はーるーとーくーん。」
これまた金髪でいかにも不良って感じの男子が近づきてきた。
「悠葵。なんでお前ここにいんだよ。」
「寂しくて会いに来ちゃった!俺、意外に人見知り君だからさ!」
なんだこの人?女子か??いや、見た目はど派手な男だから、ホモ?
「お前が人見知りだったら世界中みんな人見知りだ、お前のは気にするほどじゃない。それよりキモいからその喋り方どうにかしろ。」
「キモイゆーなし!それに喋り方は変わりませーん!あれ?・・・ってか、この子だれ?」
は?なんで貴方に言わなきゃいけないの?
「あー、こいつ。隣の席のえーっと、…名前なんだっけ?」
コイツって!隣の人の名前くらい覚えろよ!
「森川です。」
「だって。」
「森川さん?俺は悠葵!長瀬悠葵。ゆーきって呼んで!」
「ゆー…き、くん。」
「ゆうきでいいよ!!」
「ゆ、うき」
「おん!よろしく!森川…えーっと名前は?」
「あ、い。森川愛生」
「愛生かー!いい名前じゃーん!」
当たり前でしょ!?お母さんとお父さんがつけてくれたんだから!
そう思いつつ、私は『いい名前』って言われてちょっぴりうれしかった。
「ありがとうございます。」
「え、なにが?」
「名前、いい名前って言ってくれて。」
「あー。そんなんいんだよ!別に、礼いわなくても!」
「ありがとうございます。」
「それに!敬語使わなくていいから。タメじゃん?俺ら。」
「あ、う、うん。」
「陽登も!タメ語でいいよね?」
いいのかな?なんか急に話が進んでるけど・・・
陽登くん…は嫌じゃないかな?
「いいけど。俺の名前は山本陽登。よろしくな森川。」
あ…いいんだ。
「う、うん。よろしくね。」
『なんでだろう、この人に愛生って呼ばれなかったことがちょっと悲しいと思ってる…なんで?』
「じゃー、陽登俺4組戻るわー!んじゃねー」
「おう、また後でな。」
…何だったんだろ、今のは。
胸がザワザワってした。
「わりぃな。あんな奴だけどよろしくな。」
「あ、いや…ちょっとびっくりしただけだよ!それに、楽しかったし。」
うん、嘘じゃない。本当に楽しかった。見た目はあんなに派手で少し怖いけど、話してみると楽しい人達なのかもしれない。
「そぅか。なら良かった。」
特にこの人は、見た目と全然違う…
最初軽蔑していた自分が嘘みたい。今はもっと、話してみたいって思ってる。
見た目で人を決めつけていたことを謝りたい…
『ごめんね陽登くん!』
「あの、陽登くん…って呼んでもいい…かな?」
「ああ。」
「よろしくね、陽登くん!」
「よろしくな。」
わたし、陽登くんのこと、嫌いじゃない…
"ドクン……………"
私は中学とは少し違う教室に胸がおどっていた。
「愛生、落ち着きなよ。」
「だって、高校の教室だよ!1年間ここで過ごすんだよ!!なんかドキドキするね。もしかして運命の出会いがあったりして!」
「そんな恋愛小説みたいなことあるわけ無いじゃん!」
「えーーーー。あるよー!絶対見つけてやる!」
「はぁ…。愛生はお気楽だね。」
「うん。とっても楽しみ!」
「まぁ、とりあえず席に座ろ。私はあっちだからまた入学式終わったら!」
「うん!」
《私の席はー…あ、あそこだ。》
私の席は、窓際の1番後ろだった。
《いい席じゃーん!!》
私は自分の席へと向かって歩いた。
《なんか高校生いいかも!》
席に着くと窓から空が見えた。綺麗な青空だった。
そぅ思ってたとき。
「おい。お前」
誰かが私を呼んだ。
「はい?って、ぇぇぇぇえー!」
それはまさかの展開だった。
この高校に入学する前、恋奈と中学生最後の時間を楽しも!ってことで遊びに行った日。
今、私を呼んだコイツは5人くらいでゲームセンターで遊んでいた。
私達が遊んでる間、ちょくちょく見かけるコイツは金髪でピアスをつけてて、いかにも『不良』って感じのやつだった。もちろんコイツの友達たちも。
だから、余計にわかりやすかった。
別にコイツらを見てたわけじゃないけど、金髪でピアスをつけた集団が歩いてたらそりゃ目がいっちゃうよね…。
「おい。そこ俺の席、邪魔なんだけど。」
「え?ここ、私の席ですよ?」
何なのコイツ。私の席なのに、邪魔って!
「いや、俺の席だ。」
え?何言ってんの?
「…もぅ1回見て来ます。」
もう一度座席表を見た。
やっぱり私の席じゃない!!
「あのー、やっぱり私の席なんですけどー…。」
「は?」
は?お前がは?だよ!!
「わるい。俺がミスってたみたいだ。」
「いえ、全然。大丈夫です!」
コイツみたいな不良でも、謝ったりするんだ。
「今、俺みたいな奴でも謝るんだって思ったろ。」
「え!?あ、いえ…あの、ちょっとだけ…」
なんでわかったの?私はびっくりした。
「俺だって謝るときは謝るし。」
あれ、なんか拗ねてる!?
「あ、そぅなんですか…」
「ああ。お前には悪いことしたからな。」
あ、自覚あるんだ。
「いえ、本当大丈夫ですよ。間違いは誰にでもある事ですから!」
なんか、この人見た目と全然違うなー…
「そー言ってもらえると助かる。」
そう言って彼、山本陽登は笑った。
今日のこの青空にも負けないくらい綺麗な笑顔だった。
"わぁー、きれいだなー。"
そう言えばよくよく見ると顔はまあまあかっこいい……。てか、凄く整った顔をしている。コイツみたいなやつのことを世は「かっこいい」と言うのだろう。納得だ。
そう、感心してたら……
「はーるーとーくーん。」
これまた金髪でいかにも不良って感じの男子が近づきてきた。
「悠葵。なんでお前ここにいんだよ。」
「寂しくて会いに来ちゃった!俺、意外に人見知り君だからさ!」
なんだこの人?女子か??いや、見た目はど派手な男だから、ホモ?
「お前が人見知りだったら世界中みんな人見知りだ、お前のは気にするほどじゃない。それよりキモいからその喋り方どうにかしろ。」
「キモイゆーなし!それに喋り方は変わりませーん!あれ?・・・ってか、この子だれ?」
は?なんで貴方に言わなきゃいけないの?
「あー、こいつ。隣の席のえーっと、…名前なんだっけ?」
コイツって!隣の人の名前くらい覚えろよ!
「森川です。」
「だって。」
「森川さん?俺は悠葵!長瀬悠葵。ゆーきって呼んで!」
「ゆー…き、くん。」
「ゆうきでいいよ!!」
「ゆ、うき」
「おん!よろしく!森川…えーっと名前は?」
「あ、い。森川愛生」
「愛生かー!いい名前じゃーん!」
当たり前でしょ!?お母さんとお父さんがつけてくれたんだから!
そう思いつつ、私は『いい名前』って言われてちょっぴりうれしかった。
「ありがとうございます。」
「え、なにが?」
「名前、いい名前って言ってくれて。」
「あー。そんなんいんだよ!別に、礼いわなくても!」
「ありがとうございます。」
「それに!敬語使わなくていいから。タメじゃん?俺ら。」
「あ、う、うん。」
「陽登も!タメ語でいいよね?」
いいのかな?なんか急に話が進んでるけど・・・
陽登くん…は嫌じゃないかな?
「いいけど。俺の名前は山本陽登。よろしくな森川。」
あ…いいんだ。
「う、うん。よろしくね。」
『なんでだろう、この人に愛生って呼ばれなかったことがちょっと悲しいと思ってる…なんで?』
「じゃー、陽登俺4組戻るわー!んじゃねー」
「おう、また後でな。」
…何だったんだろ、今のは。
胸がザワザワってした。
「わりぃな。あんな奴だけどよろしくな。」
「あ、いや…ちょっとびっくりしただけだよ!それに、楽しかったし。」
うん、嘘じゃない。本当に楽しかった。見た目はあんなに派手で少し怖いけど、話してみると楽しい人達なのかもしれない。
「そぅか。なら良かった。」
特にこの人は、見た目と全然違う…
最初軽蔑していた自分が嘘みたい。今はもっと、話してみたいって思ってる。
見た目で人を決めつけていたことを謝りたい…
『ごめんね陽登くん!』
「あの、陽登くん…って呼んでもいい…かな?」
「ああ。」
「よろしくね、陽登くん!」
「よろしくな。」
わたし、陽登くんのこと、嫌いじゃない…
"ドクン……………"


