芹沢くんと初めて気持ちを伝えあった嬉しさに、あたしは今にも空が飛べそうな気がした。

「あのさ、ついでだからな?」

芹沢くんが言った。

「うん、わかってるよ」

あたしは答えた。

今あたしは芹沢くんに家まで送られているところだ。

芹沢くん曰く、
「1人暮らしの姉貴に飯を届けに行くから、ついでに送ってやる」

彼の左手には紙袋が握られていた。

彼の右手は…と言うと、
「今日だけだからな」

あたしと手を繋いでいた。