コミュニケーション

パニックになったあたしに、
「お袋、離れろ!

なれていないんだ!」

芹沢くんがお母さんをあたしから引き離した。

「だって、慶太郎が連れてきてくれたんでしょ?

いつも話してる女の子に会えて、嬉しいに決まってるじゃないですか!」

えっ?

“いつも話してる女の子”?

お母さんの話に、あたしは耳を疑った。

「バッ…!」

芹沢くんは何故か慌てた。

えっ、どう言うこと?

何で芹沢くんは慌ててるの?

「そ、それよりも、お袋は出かける用事があったんじゃねーのかよ!?

大丈夫かよ!?」

芹沢くんが慌てながらお母さんに言った。