コミュニケーション

「何だ、そう言うことか」

百花ちゃんが息を吐いた。

「ビックリしちゃった」

茉莉ちゃんはホッと胸をなで下ろしている。

…ごめんね、百花ちゃん、茉莉ちゃん。

あたし、ウソついちゃった…。

詳しいことはまたいつか話すから、今は現実から逃避させて。

「おい、芹沢がきてるぞ」

「平岡に用事なんじゃないか?」

クラスメイトの声に廊下に視線を向けると、芹沢くんがいた。

あたしは芹沢くんに駆け寄った。

「ちょっときてくれ」

芹沢くんはそう言うと、背中を見せた。