「お姉さん、なんだって!」

あたしはとっさにウソをついた。

「お姉さん?」

2人は声をそろえて聞き返した。

「うん、お姉さん。

芹沢くん、年の離れたお姉さんがいるって言ってた!

あたし、会ったことあるんだ!」

…どうしよう、やり過ぎにも程があるよ。

しかも、会ったことがあるなんて…言い過ぎた。

だけど、遊ばれてるってことを2人に否定したかった。

同時に、芹沢くんはそんな人じゃないって。

なんてことを言うあたしだけど、本当は現実から逃げたかっただけだったかも知れない。