「3番、3番。

早く行かないと映画始まっちゃうよ」

あたしは姉3人を促すと、3番と表示されているシアタールームに入った。

「えーっと、H列の12番…あっ、あった!」

あたしたちは椅子に腰を下ろした。

「楽しみだねー」

桃姉ちゃんはさっき買ったパンフレットを広げた。

「若葉姉ちゃん、ポッキー1本ちょうだい」

あたしは隣に座っている若葉姉ちゃんに声をかけた。

「自分のがあるんだから、自分のを食べなさいよ」

呆れたように言う若葉姉ちゃんを無視すると、あたしは若葉姉ちゃんの持っているポッキーを1本つまんだ。

「あっ、もうー」

「はい、コーヒー」

つぐみ姉ちゃんが若葉姉ちゃんにコーヒーの入った紙コップを渡した。