でも、
「芹沢くんの方こそ…」

「んっ?」

思い出して話しかけたあたしに芹沢くんは視線を向けた。

「どうして、あたしの名前を知ってたの?」

クラスは違うから接点は特にない訳だし。

「独自ルート」

芹沢くんは質問に答えた。

「えっ?」

独自ルート?

何ですか、それは?

再びクレープを食べ始めた芹沢くんに質問はまた後にしようと思った。

あたしもクレープを食べ始めた。

うーん…あたしが思っていた“デート”とは違うけど、これはこれで結構楽しいかも知れない。