…んー。

じゃあ、何なんだろう?

「あっ」

首を傾げたあたしの視界に入ったのは、真っ赤なワゴン車が特徴的なクレープ屋さんだった。

今話題の移動販売のクレープ屋さんだ。

うわあ、ラッキー!

あたし、1度食べて見たかったんだよね!

「食いたいのか?」

その声に視線を向けると、前を歩いていたはずの芹沢くんが隣にいた。

「えっ…うん、えっと…」

思わず首を縦に振ってうなずいてしまった。

食べたいと思ったのは事実ではある…訳だけど、芹沢くんがクレープを食べている姿は想像できなかった。