その日の放課後

「亜紀帰ろう。」

用意ができた拓真はドアの前に立って私をよぶ。


「うん!!」

呼ばれたことでつい張り切って声を出してしまった。


「昨日ね、好きなアーティストのコンサートだったんだ・・・。」


でも、笑っていた拓真の笑顔は私に向けられたものじゃなかった。

「美香ちゃん髪の毛きった?」


「今日もかわいいねー!」


とか他の子への笑顔だった。


「あ。ごめん。なんの話だっけ??」


「あ。なんでもないよ?」